こんにちは。Class of 2020のTです。TepperはMini4の授業が終わり、いよいよインターンの季節を迎えました。早いものでおよそ2年間のMBAプログラムも折り返し地点に差し掛かっています。昨年の夏に入学してからこれまで、様々なクラブ・イベント等に参加してきましたが、日本人留学生として最も強く印象に残っているイベントは、なんと言っても春休みのJapan Trekでした。そこで今回は今年のJapan Trekの様子についてお伝えしたいと思います。
Japan Trekは日本の留学生が主催する学生旅行です。例年春休み(3月上旬)に開催され、同時期に行われるIsrael Trekと並んで、Tepperで最も人気あるイベントの一つとなっています。就職活動と学業との両立で、学生生活において最も忙しいと言われるMin2,3を乗り越えた先に待っているのが、春休みのJapan Trek。この絶妙なタイミングと、全力で楽しむことを目的としたその内容とで、Japan Trekは毎年高い人気を博しています。日本の留学生も、その期待に応えるべく、入学早々に企画を立ち上げ、参加者・旅行会社等とコミュニケーションを重ねながら、半年間かけて形にしていきます。10回目となる今回のJapan Trekも、11月の申込受付開始からからまもなく40名の定員を超える多数の応募が集まりました。今年のTrekのテーマは、Endless Discovery。同級生の参加者にとってはもちろん初めて経験ばかりだったと思いますが、幹事である私自身のとっても、彼らの視点を通じて自分を振り返る、彼らの新たな一面を見つける密度の濃い9日間となりました。
1日目。Japan Trekの集合は都内の宿泊ホテルです。参加者は各自東京入りしました。今年のJapan Trekはディナーから。ホテルのロビーで合流し、居酒屋、ラーメン屋に出かけ、腹ごしらえをします。フライトの疲れや時差ボケの中でのスタートでしたが、遅くまで居酒屋・バーを回って物珍しい食事、繁華街の雰囲気を楽しむ同級生もいました。
2日目は、新幹線に乗って西へ。Trek最初の目的地、豊田市のトヨタを訪れます。はじめにトヨタ会館で安全性能に関する乗車体験や生産工程に関する展示等を回り、その後クラウンが組み立てられる工場に移動して、場内を見学させていただきました。トヨタ生産方式はTepper MBAでも、strategyやoperation等の授業の中で度々採りあげられます。明るいメロディーが流れる中、ガイドさんの解説を聴き、カンバンやアンドン等の実物をひとつひとつ確認しながら見学させていただきました。一通り見終わると、クラウンのプレートの前でTrek最初の記念撮影。集合写真の掛け声は工場の名前、元町工場にちなんで「モトマチ」と声に出しましたが、この「モトマチ」がその後すっかり定着し、全国各地で記念撮影の度に「モトマチ」と叫ぶことになりました。
トヨタの見学を終えると、バスに揺られて一路京都へ。夕方に京都市内の宿泊旅館に着くと、浴衣に着替えて懐石料理をいただきました。浴衣の着こなしにややぎこちない部分がありつつも、同級生が揃いの浴衣姿で食事をするシーンはとても新鮮でした。
3日目は、京都観光です。金閣寺、八坂神社、清水寺、伏見稲荷など京都市内の観光名所を回り、日本の伝統を堪能しました。清水寺の「恋占いの石」はTepper学生の間でも密かに人気だったように思います。昼食に八坂神社のそばで湯豆腐をいただきましたが、思いのほか皆箸の使い方が上手で、Trek前のフードイベント等での成果が表れたようにも感じられました。夜は、京都市内の料亭で懐石料理を堪能し、食後居酒屋へ移動して2次会へ。時差ボケも落ち着き、日本に慣れてきたところで、宴会も一気に盛り上がります。私も彼らと同じ調子で日本酒を楽しんでしまいました。
(京都の伏見稲荷にて。)
4日目はバスに乗って伊賀へ。忍者村でからくり屋敷や忍者ショーを見学しました。どちらも英語の解説があり、忍者ショーではアメリカンジョークを交えた演出に同級生も大爆笑。また、ショーの最中、偶然一人同級生が手裏剣投げのアトラクションに挑戦することになり、多数の観客が見守る中、みごと的をとらえることに成功して一躍ヒーローに。テレビ局が取材に来ていたこともあり、皆で放送日はいつかと盛り上がりました。
旅の中盤、5日目は2手に分かれて広島、大阪を観光をしました。私はおそよ15人の同級生と一緒に朝早起きをし、7時過ぎには京都の旅館を出発して、新幹線に乗って広島へ向かいました。午前中は、原爆ドームや公園内のモニュメント、平和記念資料館を時間をかけて見学。被爆者方々の体験談の映像に見入る同級生が印象的で、また原爆や原子力に対する同級生の考えを知ることができたのもよい経験でした。午後は、市内からフェリーに乗って厳島神社へ。小雨の降るあいにくの天気でしたが、それでも、水面に浮かぶ建物の趣に、みな感じ入ったようでした。私自身、広島を訪れるのが今回初めてでしたが、同級生の様々な考え方・感じ方を知ることができて、学びの多い広島旅行になりました。
6日目は新幹線、バスを乗り継いで、箱根へ。旅行中何度か新幹線を利用する機会がありましたが、新幹線の時間の正確さに同級生はいつも感心している様子でした。心なしか、朝の集合時間に遅れる人が少なくなり、Trekを通して彼らが少しpunctualになったように思われました。箱根に到着すると、ロープウェイに乗って、大涌谷の噴煙を見物。頂上では温泉たまごを食べながら富士山の眺望を楽しみました。富士山はTepperの同級生の間でも大人気。新幹線の中でも、富士山が見えたときも皆一斉にスマホを振り向けていましたが、この日の大涌谷も天気が良く、ありありとした富士山の姿に同級生も浮き立っていました。夜は皆で旅館の露天風呂へ。慣れない公衆浴に躊躇するかと思いきや、多くが平気そうな顔をしていたのが意外でした。
(ロープウェイに乗って大涌谷へ)
(箱根の旅館にて。旅も終盤。同級生の浴衣姿も様になっています。)
旅の終盤は、再び東京に戻って東京観光です。7日目の昼前にバスで東京にやってくると、浅草寺詣出もそこそこに、早速に屋形船に乗り込んで、昼から宴会に興じました。新旧の築地市場、港に横付けされた艦船、台場の砲台跡、自由の女神等の水上の景色を楽しむと、船内ではカラオケ大会が始まり、揚げたての天ぷらをつまみに、お酒を飲み、盛り上がりました。この日は夜もパーティ三昧でした。まずはアルムナイパーティ。日本のアルムナイとのネットワーキングもさることながら、日本文化をテーマとしたレクチャーが同級生の間で大好評で、議論好きの学生達はゲストスピーカーの方とあれこれ意見を交わしていました。同級生の一人が、先日訪れた厳島神社を引き合いに、日本の美意識について思うところを熱く語ってくれましたことも印象的でした。
(アルムナイパーティでの一幕。元文化庁長官の近藤さんから、日本文化についてご講演をいただきました)
アルムナイパーティが終わると、新宿の街に繰り出し、再びカラオケ大会に。このカラオケが、時間が経つのも忘れる大盛り上がりで、気づけば日付が変わって2時近くまでみんなで歌い続けていました。まるで舞台役者のように歌い演じる同級生達を目の当たりにし、彼らの新たな一面を見た気分でした。
8日目は自由行動で各人思い思いに東京観光を楽しみました。お台場、原宿、秋葉原、下北沢など。新宿のゴールデン街で他のお客さんに交じって酒を飲み交わす同級生もいました。
9日目の最終日。早朝、有志で豊洲市場に向かいました。3時半の起床は、旅の疲れと睡眠不足とで正直しんどかったのですが、そんな私とは対照的に、ピンピンしている同級生を見て私はひとり感心していました。豊洲市場ではマグロの競りを見物してから、人気店で本場の握りずしを堪能。大トロを頬張る同級生が非常に満足気だったのは、オーガナイザー冥利につきます。ホテルに戻ると、Japan Trekもいよいよフィナーレです。ホテルのロビーで集合し、リーダーが解散宣言を行ってTrekも無事終了。同級生一人ひとりと握手を交わすと、この9日間、企画を立ち上げてからの半年間が頭をよぎり、感無量でした。
ピッツバーグに帰ると、再び参加者で集まってアフターパーティを開催。同級生から、ありがとうのメッセージとプレゼントをいただきました。Trekを通じて、旅のテーマでもある様々な“Discovery”がありましたが、同時に同級生との絆を深めるかけがえのない経験となったことを改めて実感しました。
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