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・イニシャル:S.F

・性別   :男性

・出願時年齢:31~35歳

・海外経験 :なし(旅行、出張のみ)

・費用   :社費

 

1. はじめに(バックグラウンド)

  • 学部3年時より経済学にはまり、経済学研究科へ進学(専攻は国際貿易、計量経済)。

  • 紆余曲折の末、事務系新卒として鉄鋼メーカーに入社(2017年入社)。

  • 入社後3年ほどは本社の原料調達部門で石炭配船や石炭調達などに従事。その後製鉄所の人事として要人員管理、採用、研修企画などを行う。6年目で本社原料調達部門へ戻り、鉄鉱石契約、マーケット分析、デリバティブ企画、カナダ鉄鉱石鉱山への出資・開発案件などに携わる。

2. Why MBA

  • 原料調達部門で活躍する先輩や上司の方々が米国MBAを取得しており、チャンスがあればいつか自分もと考えていたところ、幸運にも社費派遣候補に選ばれた。

  • カーボンニュートラルという鉄鋼業における非常に大きな課題を解くために鉄鋼原料の新たなサプライチェーン構築や高品位鉱山への出資が求められており、水素やグリーン電力などのエネルギー確保を含めたサプライチェーン全体の体系的理解や自身のハードスキルの伸長(契約交渉やプロジェクトマネジメントスキルに加えて英語力の向上)が必要と痛感していた。

 

3. Why Tepper

  • 大学院時代の実証研究の経験から、経営学においても定量的アプローチへの理解を深めたいと考えており、データアナリティクスに強みを持つTepperに最も親和性を感じた。

  • 利便性と治安の良さを両立するファミリーフレンドリーなピッツバーグの土地柄に加え、Steel Cityとして発展した街の歴史にも惹かれた(北九州という鉄鋼の街に住んだこともあり親近感をもった)。

 

4. 受験プロセスの概要

  • 23年8月 同じ部署で新人時代のメンターだった先輩が米国MBAに留学中で、その方の話を聞く中で漠然と自分も留学に行きたいと考えるようになる。何をすべきかよくわからなかったが、とりあえずTOEFL用の英単語(3800)を勉強し始める。

  • 23年10月 腕試しに受けた初TOEFLで77というなんとも微妙なスコアを得る。

  • 23年11月 第一子誕生。

  • 23年12~1月上司から社内のMBA派遣候補に推薦すると伝えられて喜ぶ一方、過去のMBA受験生のブログや合格体験記を読み漁り、理想のスケジュールから大幅にビハインドしていることに焦り始める。合格体験記を参考にAndy先生のTOEFL講座を受講し、リーディング・リスニング対策に注力。12月の2回目TOEFLで85、1月の3回目TOEFLで97を取得しスコアの伸びに安心する。また、スピーキングやInterview対策としてフィリピン人とのオンライン英会話(1日30分)も始める。

  • 24年2月 社内選考に正式に合格。その後受けた4回目のTOEFLでも97を取得し、100超えはもう少しと期待し始める。

  • 24年3月 会社指定のAGOSでTOEFLオンラインコースの受講を開始。Andy先生の教材でリーディングとリスニングはスコアの伸びを感じていたので、AGOSではスピーキングとライティングのみ受講。目標スコアはAGOSから言われるがまま、TOEFLは105、GMATは655(旧スコア換算700~710)に設定。3月に受けた5回目TOEFLも97となり伸び悩みを感じるも愚直に対策を継続。

  • 24年4月 6回目TOEFLで103を取得し、なんとか100の壁を越えられたことに安堵(ライティングが当たり奇跡の28を取得)。1stラウンドでの出願も諦めていなかったので4月からAGOSのGMAT講座の受講を開始。

  • 24年5月 過去受験生の情報からTOEFLは運的要素も大きいので、連続受験でスコアが跳ねるのを待つという戦略を採用。立て続けに3回受けるも、結局目標の105を超えるスコアは出せないままTOEFLは切り上げ(My Bestは更新するもすべてがうまくはまる回はなかった)。この時期はTOEFLとGMATの対策を半々で行う。

  • 24年6月 GMAT対策に注力(特にVerbal)。MathはAGOSで一定の対策を行った後は、過去問を1日10分ほど解いて感覚を保つ。

  • 24年7月 引き続きGMAT対策。AGOSの授業が終わったのでひたすら過去問とPrepで演習を重ねる。AGOSコンサルタントとの個別セッションも始まりResume作成に着手。各校の分析、OBとのコーヒーチャット、家族との話し合いを経て、Tepperを第一志望に定める。腕試しと思って7月末に受けた1回目のGMATで目標スコアの655を取得し、心底ほっとする。

  • 24年8~9月 TOEFLスコア、GMATスコア、自身のバックグラウンド(経済学/鉄鋼/社費)を鑑み、1stラウンドでのTepper出願に耐えうることをAGOSコンサルタントと確認。以降は出願準備に注力し、9月末に無事出願(Tepperがダメだった場合は2ndで数を受ける戦略)。また9月以降はオンライン英会話でInterview対策を毎日30分ほどコツコツ行う。

  • 24年10月 Tepperのアドミ関係者来日の際に面談の機会をもらい話が弾む。その後オンラインでTepperのInterviewを実施。Tepperは予想外のことは聞かれないので対策通り回答。

  • 23年12月頭 Tepperから無事合格の連絡をもらい家族で喜ぶ。そのままTepperへ進学を決定。

  • 23年1月 進学決定後ではあるが、カナダ出張に合わせてピッツバーグを訪問し、キャンパスビジット、アパートの下見などを実施。

 

 

5. TOEFL/IELTS

  • 出願スコア:TOEFL103(R:29,L:24,S:22,W:28)

  • Andy先生のオンライン講座受講後は、もらった教材をもとに愚直にリーディングとリスニングの対策を実施。単語は3800を使用してレベル3までは完璧に覚え、レベル4はAndy先生の指定するワードのみ覚える。スピーキングはAGOSの授業+オンライン英会話の継続で対応(「あー、えー」で終わっていた初回に比べ終盤は安定して22 or 23が出るようになる)。ライティングはAGOS授業をもとに、持ちネタと加点が出そうなやや複雑な構文(仮定法過去完了など)をストックし、自分がやりがちなスペルミスを徹底的に防ぐ練習を実施(28は一度だけだったが、24は安定して出るようになる)。TOEFLは良くも悪くもリスニングができれば100越えが期待できる試験(逆にリスニング力がなければスピーキングもライティングも得点が伸びない)。そのため序盤は単語とリスニングを徹底して鍛えながら、オンライン英会話でしゃべる機会を確保した。留学経験なし、非帰国子女の私は英語の発音すらまともに理解していなかったので、初期に「英語耳」という本で発音の練習をしたことがリスニング力向上の良い基礎固めになった(ただし、英語の発音にはいまだに苦労している)。

 

6. GMAT

  • 出願スコア:655(VR:82, QR:86, DI:79)

  • 対策として4~6月でAGOSの授業を受講した後に授業内容の復習と過去問演習、prep演習を実施。Verbal(VR)のCRはまずGMAT独特の考え方に慣れる必要がある(論理的に考えて結論を出すことも重要だが、問題作成者がなぜこの選択肢を答えにしたいのかを理解することも重要)。当初この考え方に慣れなかったが、過去問を一問一問丁寧に解くことで徐々に問題作成者の意図を理解できるようになった。RCはGMAT単語でさらに単語力を伸ばしていくと同時に、スピード感に慣れるしかない(TOEFLのRではいつも5分ほど余っていたが、GMATのRCではその程度の読解力では歯が立たないほどのスピードが求められる)。本番もテンポよく解答し、目標の82を取得(とはいえ最終問は時間が足りずランクリ)。Math(QR)については、もともと算数や数学に苦手意識はなかったので過去問中心に対策。本番では英語の意味が取れず序盤に1問落としてしまい、最終問も解法が思いつかず不正解だったが、86を取得。新GMAT移行後の最大の曲者はDI。Data Insightsと言いながら、実質英語の試験が追加されたようなもので、統計の知識は全く使わない。ネイティブでも難しい試験であり、AGOSの先生(ネイティブ、MBAホルダー)もよく間違えていた。正直対策しようがないと思ったので、とにかくprepで演習をこなして慣れるだけにした(DIに時間をつかうよりもVerbalで確実に点を伸ばすほうが効率的)。本番は難しそうな問題は飛ばしながらなんとか79を取得(最後の問題はランクリ)。GMATは一種のスポーツであり、一定のスピード感をもって8割を取りに行く競技と割り切るほうがよいと感じた。

7. レジュメ/エッセイ

  • 基本的にAGOSのコンサルタントと相談して作成。コンサルタントの方は入学審査官が候補者を選抜するうえで押さえておくべきポイントを熟知していた。ただ、会社として評価されるポイントと大学側が評価するポイントは異なるので、本当にこんなことをResumeやEssayに書いて自己PRになるのか?と心配になることはあった(結果的になんの問題もなかったので取り越し苦労だった)。私の場合は2か月程しっかり時間をかけて1校の出願書類をまとめていったので、納得いくまで校正することができた(時間がなければ、その分見直しの回数を減らし、準備期間を短縮できたと思う)。

8. 推薦状

  • Tepperの推薦状は1通のため直属の上司の方に書いていただいた。レジュメやエッセイの内容を事前にお伝えし、その内容を補強するような推薦状をお願いした。

 

9. インタビュー

  • AGOSのコンサルタントの方から想定問答についてアドバイスいただき、その後は毎日30分オンライン英会話で面接慣れすることを意識した。Tepperは前年のInterview内容から大きく変わらないと聞いていたので、前年の内容をネットで調べ、想定問答を用意することで十分だった。本番では棒読みにならないよう意識した。

10. 最後に

MBA受験には入念な準備が必要となりますが、「どの時期に何をしたらよいか」「上手くいかなかったときにどのようなアクションを取ればよいか」は過去の先輩方の足跡を辿ればはっきりと見えてきます(TOEFLやGMATなどの試験は対策の仕方がある程度確立されています)。「このままスコアが伸びなかったらどうしよう」とか、「本当に今の対策を続けていいのだろうか」と不安になる時が必ず来ると思いますが、愚直に取り組めば結果はついてきます。また、結果が出なかったとしても常にプランBを用意しておくことで、不安は和らぐと思います。時には息抜きも忘れず、健康第一で準備を進め、皆さんが志望校に合格することをお祈りします。

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