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1. はじめに
入社前から漠然と、海外で仕事をしたいな、と思っていました。これに近年の勤務先の経営環境の変化が加わり、より具体的に海外MBA取得の意義と取得後の活用方法がイメージできるようになりました。さらに勤務先からスポンサーシップが得られるチャンスにも恵まれ、受験を決意しました。
学校選定に関しては、大きくは以下の3つの基準を持っていました。
①経営に関する体系的な知識が体得できること
②国際ビジネス経験の不足を補完する訓練が徹底的にできること
③良質のグローバルな人脈を獲得できること
また、スポンサーの支援が得られるトップ校であることも考慮しました。

2. 出願スケジュール
私の場合は種々の背景により、受験対策を本格的に始めたのがお盆頃だったため、TOEFLやGMATだけでなく、推薦状、エッセイ・インタビュー対策等も含めたスケジュール管理上の工夫が必須でした。具体的に実行したことや、そこで感じたことを以下に記載します。他校も含めて、すべて2nd Roundでの受験です。予備校はアゴスジャパンのみに通いました。

3. TOEFL
他のアプリケーション要素とのシナジーを最大限生み出すようにしました。例えば、私はTOEFL-Reading単独での対策はしていません。その代わりに、難度の高いGMAT RCで代替しました。GMATのRCのトピックとTOEFLのReadingのそれはかなり重なっていますので、GMAT RC対策はそのままTOEFLのReading対策になります(最近のRCは文章が短いので、ちょっと昔のGMATオフィシャルガイドのRCの方がいいです)。
SpeakingとWritingは、予備校(アゴスジャパン社)のエッセイ・インタビュー対策を活用しました。TOEFLだけに時間を割く余裕がなかったため、エッセイ・インタビュー対策とTOEFL対策を並行して行っています。本対策を通じて「迫力・臨場感のあるストーリー」を「文法ミス少なく」「端的にアウトプット」できるようになったことにより、SpeakingやWritingのスコアがかなり上がりました。この2つは人が採点するセクションですので、「内容」にもこだわりました(読みごたえ・聞きごたえがあるように)。私の場合は「…理由は2つあります。1つは…もう1つは…」といったテンプレートを作るよりは、1つのトピックについて深く論じたほうが点が上がる傾向にありました。
また、他の対策に充てる時間を少しでも捻出するために、TOEFL Listeningについては予備校に通学することはせず、同校が授業で使用している教材と同じものをネットで購入し、通勤電車の中で毎朝少しずつ解き進めていくことで対応しました(アゴスさんごめんなさい)。
100点を超えてからと、105点を超えてから、それぞれスコアの「伸び悩み」の時期がありましたが、回数をこなすことで克服しました(計10回受験)。最高スコアは出願に間に合わなかったので、出願スコアはセカンドベストです。ただしサブスコア間のバランスが良くなかった(ListeningとSpeakingが低かった)ので、ちょうどスコアバランスが「逆位相」となっている回のものと、追加エッセイ(英語力を証明するため)も合わせて各校に送付しました。

4. GMAT
Quantitativeについてはほとんど対策らしきことをしていないので、ここではVerbalについてのみ記載します。前述のとおり、RCはTOEFLのReadingと同時に対策が打てます。基本的には単語力が最大の武器だと思います。私は学生時代に買った単語帳を引っ張り出してきて、ざっくり2万語レベルまで短期集中で覚えました。CRも基本的には「読解」なので、RCの力が生かせます。しかしSCは、アメリカ英文法に関する知識が正しく体系化されていないと正解できません。体系化されたかどうかは、問題文・選択肢を1回読んで「何が問われているか」がすぐわかるかどうかで判断できます。これができるようになるまで、アゴスジャパンの講師の方には多大なるご支援をいただきました。
また、GMATでは入念な準備はもちろんですが、最後は「執念」のようなものが大事だと思います。私はGMATを計3回受験しました。3回目の受験は11月下旬だったのですが、他のタスクの進捗を考慮して今回がラストチャンスと心に決め、アゴスジャパンのカウンセラーの方にも「700点取れなかったらもう来ません」と宣言し、会社にも試験前の数日間連続で休暇をもらい、前日はPrepが入ったPC とアゴスジャパンの教材を持ち込んで試験会場近くのホテルに泊まり、直前まで勉強しました。この「合宿」の効果があったかどうかは定かではありませんが、有言実行ができました。

5. レジュメ・エッセー
幸いなことに、私の周りにはTepperに限らずトップ校出身のMBAの方が多数いらっしゃり、彼らと気軽に意見交換ができる環境にありました。エッセイやインタビューのネタ探しや各校のリサーチは、彼らとのコミュニケーションのおかげで効率的に進められたと思います。その際には、議論したいポイントを事前にお送りしたり、仮説ベースの質問をしたり、複数の方に同時にお会いしたりと、より短時間で必要十分な情報収集ができるように心がけました(とはいえ、皆さんそれぞれに魅力的なので、ついつい長話になってしまうのですが…)。受験プロセスの中で、卒業生の方々との会話が1番楽しかったです。対話を重ね、得た情報をもとに考えを巡らすことで、次第に自分の中での各校の志望度が明確になっていきます。私の場合、Tepperとの確固たるフィット感はこのプロセスで醸成されました。同時に、冒頭に述べた学校選定の基準の3つに対して、説得力のあるエピソード(自分の琴線に触れた話、出来事、気づき等)を多数収集できたと思います。
エッセイ対策には、予備校の活用が有効だと思います。そして、カウンセラーの方と信頼関係を構築することが大事だと思います。私は最初の数回のセッションでは採算度外視でカウンセラーとできる限り会話をし、お互いのことを理解し、遠慮せずに物が言い合える関係を作りました。私の場合、エッセイ作成時期の大半はTOEFL・GMAT対策の時期と重なっていましたので、カウンセラーと相談して毎週土曜の彼のスケジュールを2ヶ月先までおさえ、毎週金曜は会社に泊まって1人で集中してエッセイを書き、翌日のセッションに臨む、というサイクルを愚直に回しました。セッションでは、書き上げたエッセイに対して常に彼にフィードバックを求め、妥協せずに修正を何度も重ねていきました。1校あたり最低10回は書き直しています。某校の出願締め切りが2日後に迫ったある日、カウンセラーから「そろそろこのエッセイで出願してもいいよ。他校の出願スケジュールとの兼ね合いもあるだろうから」と言われましたが「僕の締め切りは40時間後だよ」「そうだったね、了解。じゃあこの点を修正して」というやりとりをしたことをよく覚えています。最終的には「このエッセイならまず間違いなくインタビューには呼ばれるだろう」ということを双方確認した上で各校に出願しました。また、ありがちな落とし穴として、学校調査をすればするほど詳細情報に詳しくなり、エッセイが「学校調査レポート」になってしまうこともありましたが、その辺はカウンセラーがうまく交通整理をしてくれました。

6. 推薦状
社内の方(上司2人)にお願いしました。力強い推薦状を書いていただくためには、推薦状の設問の真意の確認や、記載する内容の骨子のすり合わせなど、相応の時間を割いて推薦者とコミュニケーションをとる必要があります。多忙な中、真摯に付き合ってくれた上司には今でも感謝しています。

7. キャンパス訪問
ビジットの準備をしているところに、Tepperからインタビューのinvitationが来てしまったので、Tepperはキャンパスビジットしていません。ただし、他校ビジットの経験から、「ビジットは合格の必須要件ではないが、得るものは大きい」と断言できます。私はオンキャンパスインタビューの前に複数日現地に滞在し、授業の聴講・在校生との食事会・学内イベントへの参加や、街の散策等もあわせて行いました。「現地での新たな発見」を織り交ぜて会話をすることで、熱意とフィット感がよりアドミッションに伝わったと思います。そして何より、異国の地でがんばっている留学生(日本人に限りません)の姿を目の当たりにしたことで一気にモチベーションが上がり、絶対に合格したいと思いました。

8. インタビュー
これまでの経験から、もともと英語でのインタビューには割と自信があり、この点は差別化できると自分では思っていたのですが、アゴスジャパンでのインタビューセッションで「Too fast」「Too aggressive」「Verbose」などと指摘され、これまで強みだと思っていたことがアキレス腱になっていることに気づかされ、練習の必要性を痛感しました。彼女たちとのセッションを通じて改善すべき点を洗い出した上で一気に矯正し、本番インタビューに臨みました。Tepperのインタビューは非常に率直なものが多かったので、質問された内容について回答に困ることはありませんでしたが、私は1つ大失敗をしています(忘れもしません)。インタビュー中にこれをリカバーすることができず、事後フォローで対応しました。
振り返ってみると、質問表を見ながら一問一答形式でインタビューを行う学校もあれば、完全に会話ベースの学校もあり、インタビューのスタイルは各校千差万別でした。私の受け答えに対するアドミッションの反応は様々で、会話がどんどん弾む学校もあれば、全く盛り上がらない学校も中にはありました。このインタビューの出来・不出来がそのまま受験結果に表れましたので、間違いなくインタビューは最重要パートだと思います。

9. サマースクール
参加していません。その代わり、毎晩Tepper同級生と飲みに行っていました。学校開始前にたくさん友達ができたことはとてもよかったです。

10. 最後に
海外MBA受験は一見個人戦のように見えますが、実は総力戦であるということが言えると思います。プロフェッショナルな立場から適切なアドバイスをくださったアゴスジャパンのカウンセラーの皆さん、仕事をシェアしてくれた職場の上司・同僚、忌憚のない意見を言ってくれる友人や先輩、受験中に出会った刺激し合える「戦友」、そして文句の1つも言わずに子供の面倒を引き受けてくれた妻…とても自分の力だけで合格できたとは思えません。
「総力戦」が成立するためには、関係者と状況の共有(特にネガティブ情報)がされていることが大前提です。私は必要と感じたときは迷わず、悪い情報も含めて関係者と共有しました。特にアゴスジャパンのカウンセラーの方とは、電話も含めるとかなりの時間お話をさせていただき、密に情報連携させていただいていたと思います。先述のインタビューでの大失敗の件も、インタビュー終了後、アドミッションと別れてすぐに彼女に電話をし、リカバリできる方法がないか相談させていただいたのですが、ベース情報が共有されていたので打開策もすぐに見つかり、必要なフォローをその日のうちに行うことができました。
海外MBA受験は、人格的なところも含めて、様々な能力が試されます。一定レベルの論理力・計数力、自己分析力、過去・現在・未来をとらえ、一貫性のあるビジョンを明確に書面/口頭で伝えきる能力、プロジェクト管理能力等を駆使し、高品質のアプリケーションパッケージを作成することが必要です。 とあるTepperの卒業生の「海外MBA受験にももちろんルールはあるが、受験プロセスの中に様々な工夫の余地がある。Creativeにトライできる分、結果に対する納得感・満足度は非常に高い試験だ。」という言葉は印象的です。全くその通りだと思います。