1. はじめに
バックグラウンド
数理・計算科学専攻 修士(数学およびコンピュータサイエンスを半々)
キャリア
証券会社にて金融派生商品のモデル開発を6年間担当
入社以来、研究開発部門にて金融工学を使った時価計測・リスク計測のモデルを開発していました。専門的な職種に集中できていた環境は幸せだったのですが、会社のビジネス全体よりも目の前の技術に目を向けている自分に疑問を持つこともしばしばでした。
そんな時、直属の上司がビジネススクールを卒業していたことを聞いて興味を持ち、会社派遣での留学生選出に至ります。これまで自分が全く学んできていない部分を補えるという点で、ビジネススクールでの学びに期待しています。
2. 出願スケジュール
2012/4末 社内選考通過の知らせを受けて、予備校への通学を開始。
2012/5-8 学校の調査をするとともにTOEFL/GMATの学習を並行して開始。TOEFLは月1回のペースで受験。
2012/9 TOEFLのスコアが100点を越えたため、そこで打ち止めとしてGMATに取り掛かる。
2012/10 GMAT初受験。ひどい点数だったため1stラウンドへの出願を断念。
2012/11 GMATの受験を継続するも650にすら届かず。出願しないわけにはいかないため2ndにほとんどの学校へ出願。
2013/1 GMAT4回目受験をするも650どまり。スコアのアップデートを行い、インタビュー対策とGMAT学習を並行して実施。
2013/2 CMUのインタビューインビテーションを受け、インタビューを実施。その後月末にGMAT5回目の受験、690に到達。すぐに再アップデートを連絡。
2013/3 Tepperから合格通知。3rdラウンドへ出願した学校があったものの、CMUの方が志望が高かったため辞退。
3. Why Tepper
定量分析を用いたビジネス判断、そして学校のサイズが小さいということが判断基準にありました。在職中に定量分析は行っていたため分析技術そのものは持ち合わせていましたが、ビジネス判断という観点で使用することは稀でした。Tepperでその不足部分を学びたいというのが主な動機になります。
また、特に出願書類に書いてはいませんが、コンピューターサイエンスを学んでいた身として、Carnegie Mellonに強い憧れもありました。CMUの特性は定量分析を重視するという形でTepperにも色濃く出ていますし、結果的に自分にフィットした選択ができたと考えています。
4. エッセイ・推薦状
当初からCMUをターゲットとして出願準備を始めていましたが、結果的にはそれがうまく機能したと思います。というのもTepperのエッセイはスタンダードな設問が多く、他校へ適用する基盤作りになるためです。また推薦状は現上司、以前の上司、そして業務相手の部署の課長が書いてくださいました。以前の上司はTepper MSCFの卒業生であったため、卒業生の目から見てどの程度私がフィットしているかを書いていただけたと考えています。
5. キャンパスビジット
私はキャンパスビジットを一切行いませんでした。キャンパスビジットを検討した際、「アドミッションへのアピール」を考えていたのですが、当時の在校生から「Tepperのアドミッションはキャンパスビジットをそれほど重視しない」という話を聞いたため、結果的にGMATのスコアアップに注力することにしました。
キャンパスビジットをする他の理由として、進学先の雰囲気の確認、エッセイ・インタビューのネタ作りといったことも挙げられます。時間に余裕があればキャンパスビジットをすることで非常に大きなものが得られるのは間違いありません。ただ、Tepperの場合はビジットによってアドミッションから大きな加点が得られるということはなさそうです。
6. TOEFL / GMAT
TOEFLについては(2月末まで受けたGMATに比べて)比較的早期に結果が出たこと、受験校のポートフォリオ的に100点を超えていれば足切りにはならないことが想定されていたため、早々に打ち止めとしました。一部の学校ではより高い点数を求めることがありますが、Tepperの場合、そのような傾向は少ないと思います。
またGMATについて、私のバックグランドが典型的な理系修士卒日本人であったため、Tepper受験生という意味で差別化を図りづらく、GMATを基準以上に持ち上げることが必須条件と考えていました。結果として670-680辺りが足切りになっていたという印象を受けます。
出願時の悲惨なスコアから二度に渡るスコアのアップデートがどのように考慮されたかは分かりませんが、継続してアップデートを行ったことはプラスに働いたことは間違いありません。
7. インタビュー
インタビューは東京のホテルでアドミッションの来日中に行いました。過去の傾向通り、インタビューそのものは非常にスタンダード、和やかな雰囲気で行われました。
異なる点といえば、インタビュー当日にアドミッションに会えないというトラブルに見舞われました。インタビューはどこかの部屋で行われるものと期待してフロントに行ったのですが、そのようなイベントは聞いていないとの回答。それもそのはず、面接はエレベータ脇の小さなソファーで行われるという手はずだったのです。場所についてはCMUより面接二日前にメールがあったのですが、日本が祝日でメールを確認できないまま当日を迎えてしまいました。
結局ホテル内を探しまわり、三時間後になってすべてのアプリカントの面接が終わるところで面接官を発見。事情を説明して無事面接をしてもらうことができました。教訓として、ホテルでの待ち合わせの際は正確な場所の問い合わせをお忘れなく。
8. サマースクール
サマースクールはWhartonのSIIBSプログラムに参加しました。MBAプログラムの準備コースとしては非常によく組成されており、有益な時間を過ごすことができました。