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1. バックグラウンド / Why MBA? / Why Tepper?

私は、官庁からの派遣です。金融関連の業務を通じて、付け焼刃になっていたファイナンス分野(金融工学、コーポレートファイナンス、会計等)をきちんと学んで専門性を高める必要があったこと、外国当局や金融機関の多国籍な担当者とのやり取りを通じて、学ぶなら海外留学で、と考えていたことから、はじめはMaster of financeのようなコースに特化して学校を探していましたが、ハードスキルの獲得だけでなく、金融の先にあるビジネスや、業界の環境変化の理解をより深めるため、様々なバックグラウンドの人たちと交流し視野を広げたいという思いも強まり、最終的にMBAを志望しました。

学校選択は、上記の目的が達成できる環境があること、クラスサイズが比較的小規模であること、家族帯同のため生活しやすい都市(治安・物価等)であることなど、総合的に考えて複数校選びました。数あるMBAのなかで、Tepperは、定量的アプローチを重視するカリキュラム、テクノロジー分野での強み、金融工学の専修コース(MSCF)の授業が受講可能であることなどが自分には特色に映り、決め手になりました。

 

2. 出願スケジュール
2014年

12月 派遣内定。以降、数回TOEFL受験。
 

2015年

4月 各種予備校の無料診断、以降秋にかけてセミナー(予備校・大学)に参加
6月下旬 推薦状依頼の頭出し
8月上旬 TOEFL 102 ←最終スコア。ここで見切って、GMAT対策に注力。
10月 他2校の分も含め、CVとEssay作成開始。推薦状依頼。
11月下旬 GMAT 1回目640
12月上旬 GMAT 2回目700 ←最終スコア。ここで見切って、年末にかけて、Essayの推敲、推薦状の内容調整に注力。

2016年

1月上旬 他2校とともに、Round 2で出願。いずれもInterviewの連絡あり
2月中旬 Interview(1校はSkype、Tepperともう1校はon campus)
3月下旬 1校は不合格、Tepperともう1校は合格通知。

 

同時並行的に作業を進めなければならないことが多いため、スケジューリングが重要です。準備の初期段階で予備校の相談会に参加すると、アプライに向けた全体像と自分の立ち位置がわかるので有益でした。TOEFLやGMATは早めに蹴りをつけて、エッセーや面接の準備に時間を割けるようにし、Round1か2でアプライするのが理想的と思われます。
 

3. TOEFL・GMAT

私は、金銭的な制約もあり、結局予備校には行きませんでした。効率が悪いので、余裕があれば予備校活用をお勧めします。他の合格者のコメントも参考にしてくださればと思いますが、以下、予備校に行かない方向けに、GMATは追加的な労力を割かずに顕著に点数が伸びた経験が参考になるかもしれませんので、少しコメントさせていただきます。

定量分析を重視するTepperだけに、QuantsとIRはできるだけ落とさないようにし、Verbalで差をつけようという気持ちで受けていました(が、けっこうQuantsで落としました。なお、TepperがIRとAWAをどこまで見ているかは不明)。ポイントは、CAT形式を踏まえたタイムマネジメントとそれに対する戦略です。①最初の10問くらいが方向性を決めるので丁寧に解く(ただし間違えたとしても、後で挽回できるので焦らない)、②中間の数題は、連続正解が続いても、いつかはピークアウトするので、難問で時間を浪費しないように、ペースを気にしながら捨てる問題は捨てる、③最後の10題は、確実に時間内に終えることを意識しつつ、解ける問題に集中、というのが定石のようです。2回受験し、1回目と2回目のインターバルがほとんどなく、その間それほど準備もできませんでしたが、2回目で①~③を意識するだけで、点数がけっこう上がりました(が、たまたまかもしれないので、あくまで参考ということで)。

 

4. CV / Essay

こちらの対策も、可能なら、情報やノウハウをもった予備校の活用をお勧めします。以下、予備校に行けない方向けのご参考です。

私は、「大学院留学のためのエッセーと推薦状」(アルク)やネット情報を参考に、2か月かけて練りました。エッセーに限らず全般に言えることは、日本人的な職場の「美徳」は、向こうにとってはアピールにはならないことがあるということで、ローカルネタの披露にならないよう、受けがいいようにある程度普遍化させて、それでいて具体性を失わないようにアピールする必要があるということです(例は本に書いてあります)。私のようなパブリックセクターは少数派なので、それを逆手にとり、関心の惹き方に注意しました。私は、職場の先輩や同僚に見てもらいましたが、同じ職場目線に偏るのを避けるため、異業種の知り合いにも相談しました。ただ、結局読む人それぞれなので、ダメ出しは程ほどに取り入れつつ、最後は、自分がどのようにアピールしたいかというところで折り合いをつけました。

内容が固まってきたら、英語表現の校正のため、Essayedgeというオンラインサービスを利用しました。結論からいうと、単なる文法の添削ではなく、「こういう内容を盛り込んだ方がいい」とか「こういう構成にした方が読みやすい」などのコメントを1~2日でもらえ、期限が迫っていた自分にとっては、満足いくサービスでした。アドミッションも多くのアプリカントの文章を読まないといけないので、一読して伝えたいことが伝わる文章にすることがポイントです。

 

5. 推薦状

大原則は、自分の仕事ぶりを最も観察できる立場にある人に依頼することです。留学経験のある人だとなお良いです。アプリカントとの関係(なぜ推薦者としてアプリカントを評価できる立場にあるか)が明示されていれば、ランク・タイトルはあまり関係ありません。推薦状の内容をすり合わせ、推薦状とエッセーを補完関係に置ければベストです。お願いされる側も多忙なので、依頼の頭出しから内容調整まで、スケジュール感や内容イメージを伝え、進捗について密にコミュニケーションをとる必要があります。
 

6. Interview

3校出願したうち、滑り止めとしていた1校はSkypeでの面接を受け付けてくれたので、練習に使いました(Skypeだとやはりぎこちなく、個人的には対面式の方がいいと感じました)。TepperもSkypeで受ける予定でしたが、残りの1校がon campusで、と直前に言われてしまったので、急きょ、無理くり仕事のスケジュールを調整し、Tepperもon campusに変更してもらいました。事前にキャンパスビジットをしていなかったので、良い機会だと思い、ついでに面接前のキャンパスツアーも申し込んだところ、快諾してもらい、在校生との昼食を交えた相談会や授業も体験させてもらえました(授業は選択可能で、私はStatistical decision makingという講義を選択)。ツアーでいろいろ質問に答えてもらった担当者の方が、たまたま面接官だったので、面接は一通り形式的に行いつつ(後述)、ツアーで感じたことや熱意をアピールして、終始和やかな雰囲気でした(ツアー自体がすでに面接になっていた?)。別れ際に、「Skypeにしていたのにわざわざ来てくれたんだね」と言われたので、急なことでしたが、印象付けることができたかもしれません。

面接は、blinded(面接官はCVの内容だけ把握していて、エッセーは読んでいない状態)で、聞かれたのは、①Walk me through your résumé、②頻繁に部署を異動していることを不思議に思ったらしく、日本の役所の異動文化を説明、③What is your biggest achievement in your life?と聞かれ、Essayにも書いてあることを補強的に説明。

面接後は、日本人サイトを通じて事前にお願いしていた在校生と面会させていただきました。お忙しい中、多くの方のお話やアドバイスを伺え、Tepperコミュニティーの温かさを感じました。当日中に、面接官に、面接のお礼と在校生との面会で感じたこと、熱意をメールしました。

面接対策だけ、年明けからEnglish Villageという安価(5万円程度)な英会話スクールに通いました。限られたサンプルの中からの個人的なおススメが、八重洲校のNish先生です。専門スクールではないので、「MBA対策」のようなコース設定はないのですが、口コミでNish先生の評判が広まっていて、さながらちゃんとしたスクールみたいに対応してくれました。八重洲という場所柄、有名企業からの派遣の人も少なからず通っているらしく、Nish先生に情報が蓄積されています。

 

7. 最後に

仕事との両立も含め、準備には非常に労力がかかり、いろいろな方にサポートいただき感謝しつくせません。ここがスタート地点であり、これから2年間、さらに先、ちゃんとやっていけるか、不安な気持ちもありますが、期待の方が大きいです。これをお読みいただいている方にお伝えしたいのは、手続き的なことも含め、困難に直面したときは、経験値を上げるチャンスだと捉えると、ちょっとは気が楽になるということです。終わった後に達成感もありますので。お手伝いできることがあれば、いつでもご連絡をお待ちしています。

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