© 2018 by Carnegie Mellon University. Tepper.MBA Japanese Students
5000 Forbes Ave, Pittsburgh, PA 15213, the United States

​​Core

入学直後の9月のMini1から、1年生必修のCoreクラスが始まります。特に最初のMini1(秋)からmini2(冬)にかけては、Tepperが誇るOperationやAnalyticsの授業、またCommunication系のクラスも目白押しで、かつインターン探しの時期とも重なり、インターナショナル学生だけでなくアメリカ人にとっても、非常に密度の濃い期間となると思います。

各講義について、実際に講義を受けた在校生が概要を説明します。

 

Strategy


・Corporate Strategy
いわゆる戦略論の授業です。授業では、戦略論における重要なコンセプトやフレームワークについて、全体を一通りなぞっていきます。戦略論の入門編といった位置づけの授業です。授業において取り上げられる企業は、Tepperということもあってでしょうか、Amazon, Microsoft, Apple等のハイテク企業やToyota, Honda, Yamaha, Komatsu, NEC等の日本企業の名前が多く教授の口から飛び出してきます。


 

Accounting


・Financial and Managerial AccountingⅠ
細かい仕訳を憶えるというよりは、基本的な仕訳のやり方や代表的な勘定科目、損益計算書、貸借対照表、キャッシュフロー計算書の関係などを学習し、企業の経済活動がどのように財務諸表に反映されるのかを理解することが主な目的です。また、固定費と変動費の別、限界利益、損益分岐点等について、ケースを題材にして学びます。工場のキャパシティに制約がある中で、どの製品の製造に割り振るのが合理的な意思決定なのか、キャパシティを拡張してでも追加の注文に応じた方がよいのか、赤字の場合にどのラインで撤退するのが合理的か、といったことを論理的に判断できるようになります。

・Financial and managerial Accounting II
基本的に管理会計を対象にしていますが、Mini 1で既にやっている固定費・変動費以外で、コスト配分、事業計画と変動時の分析方法、社内取引価格などをカバーしています。さらに、財務会計についてはFinancial Statement Analysisの部分を学びます。

 

Finance


・Finance I
ファイナンス系の必須授業で、NPV、DCF、FCFの考え方の説明から始まって、CAPM、WACC、キャピタル・ストレクチャー(Miler-Modigliani、タックス・シールド)まで主にコーポレートファイナンスで理解しておくべき分野をカバーしています。基本的には、DCFによるオペレーションの市場価値とコーポレート・ストレクチャーを用いた企業価値の推定、そしてそれらの値と実際の株価との関係性を理解するということが一番の目的です。自分のような非ファイナンス出身の人間にとっては、会計以外の企業財務とはなんぞやということを広く浅く理解する上でとても有益でした。またここでやった概念がファイナンス系の選択授業を取ると結局繰り返し出てくるので、そういう意味でもきちんと理解しておくことが重要です。


 

Economics

 

・Managerial Economics

ミクロ経済学の基礎について学びます。経営者がミクロ経済の知識を活用し、最適な生産量やプライシング等に関する意思決定を行えるようになることが目的です。講義は消費者、生産者、市場の大きく3つのトピックに分かれ、需要・供給曲線、(非)完全競争市場モデル、政府介入等外部要因の影響、ゲーム理論等、各トピックで共通する特徴をカバーしています。内容は非常に数学的な要素が大きいのですが、教授は実際の経済における状況を引き合いに出しつつ、なぜ談合や政府による干渉等がSocial Welfareを減らすのか、なぜ特定の状況においてPrice discriminationが企業にとって有効な戦略になるか、独占市場と非独占市場とでは価格の決まり方がどのように違ってくるのか等について、わかりやすく講義を進めていきます。数学に強い方は、出される数字と経済的な意味合いを考えながら講義を聞くと、なお一層理解が深まり面白く感じると思います。
 

・Global Economics

マクロ経済学の基礎について学びます。GDP・GNPに始まり、各国の労働市場と生産性、輸出入政策、為替とキャピタルフローの関連、金融政策とインフレ・短期・長期金利の関連などを学びます。具体的には、日本やギリシャが抱える財政赤字の及ぼす影響や、キャピタリズムと生産性の関連における中国とアメリカの成熟度の違いなどです。アメリカの経済とそれを取り巻く主要各国(先進国、発展途上国位)との関連にフォーカスした構成となっています。

 

Marketing


・Marketing Management
ケース(IKEAやLenovo等、日本でも馴染みのある会社・製品が題材)を中心に、経営者がマーケティングに関して意思決定を行う上で必要な知識を学びます。とかく定性的・概念的な話に終始しがちな分野ですが、Tepperらしくしっかりとした定量分析が求められます(Tepperの教授に共通する口癖は、"Show me the numbers!")。ケース提出日の前半に、そのケースに関するディスカッションをクラスで行い、後半は、新しいマーケティング概念・アプローチ等の紹介を行うといったスタイルになります。B2B、広告戦略、eMarketing、ブランディング、innovative商品の販売戦略、STP等、幅広くカバーするため、マーケティングの全体像を掴むことができます。以降のマーケティング関連の選択教科では各個別領域(e.g. B2B Marketing, Pricing Strategy, Marketing Research等)にフォーカスしたものになるため、本授業はその全体像を押さえる上で有益なものと思います。


 

Operations


・Operations Management
情報、商品、Cash等といった有形・無形資産のoperation managementについて学びます。Value chain全体のみならず企業のパフォーマンスに大きく影響するオペレーションの全体像を理解することが目的です。授業は、SCM(Supply Chain Management)の基礎を学ぶ理論編2~3回と、ケースを通じてそれらが実際にどのように当てはめられるかディスカッションするケース編1回とが1セットで進められます。ケースでは財務、マーケティングの観点に加えてOperation Managementの視点からの数字を使った分析・考察を求められるため実践的かつ気づきも多くなります。前半はある一企業内でのマネジメントに焦点が当たっており、在庫管理(安全在庫・最適発注量の算定)等を学び、その理論的背景に関して、日本で見かけるSCM本等より深いレベルでの理解が求められます。後半は二社にまたがるマネジメントや品質管理(Postponement、Risk Pooling)、売上管理(Buyback、Protection level)を学びます。自然と日本のサプライチェーンの話も多くなりますのでクラスに貢献する機会は多いです。世界的オペレーションの権威のKekre教授の授業は情熱とウィットにあふれており、Tepperの目玉授業の一つになっています!


 

Analytics


・Probability & Statistics
ファイナンス、マーケティング、オペレーションなど、広範囲なビジネス理論を学ぶ基礎としての確率・統計を学びます。基本的な確率から各確率分布(正規分布、二項分布、Poisson分布等)、デシジョン・ツリー、信頼区間、仮説検証、回帰分析等、一通りの確率・統計の基礎知識を学習します。ただし、Business Schoolの確率・統計ですので、数式を導くことについてはほとんど触れず、その式の活用や活用のための条件等、より実践的な面に重点が置かれています。Mini3のStatistical Decision Makingの前段階にあたり、また多くの講義の前提知識となっています。講義自体は淡々と進みますが、進度が極めて早く、理系バックグラウンドでない人には最もハードな科目の一つとなるかもしれません。また、課題が多く出され、ほぼ毎週QuizやGroup workによるCase課題があります。

・Optimization
ExcelのRisk Solverというアドオンを用いて、線形計画法を用いた最適化の手法を学ぶ科目です。具体的には線形計画法、Sensitivity Analysis、ネットワークモデル、整数計画法、非線形計画法と言った内容をカバーしています。線形計画というと難しく聞こえますが、原材料の最適配分の仕方や無線基地局設置時の人口カバー率の向上など、様々なビジネスシーンで活用できるもので、定量分析を強みとするTepperでは必須授業になっています。特にSensitivity Analysisは概念的に分かり辛いものですが、豊富な実習課題で嫌というほど繰り返しやらされるので自然に身に付きます。OR (Operation Research)系の選択科目は、基本的にここで学んだことを理解していることが前提になっています。

・Statistics and Decision making
Mini1でカバーしたStatisticの知識をベースにし、EViewsという統計ソフトを用いて、実際の事例に対する統計(主に回帰分析)の応用について学ぶほか、ExcelのRisk Solverという機能を用いたシミュレーションについても若干触れます。授業は主に講義とCaseの二本立てで構成されており、週二回の講義で交互に学びます。Caseでは、統計ソフトを用いてデータを分析している論文を利用し、データの活用、分析結果の解釈などについて学習します。個人的に面白い具体例を挙げると、年代もののワインの価値は何の要因で決まっているのかについて調査した論文があり、様々な要因を挙げてワインの値段との相関関係を見る(つまり回帰分析する)ことにより、何が大きな要因になるのかを特定しています。分析によって客観的・定量的な影響度合いを得ることができ、データ分析に対する統計の威力を目の当たりにした時の気持ちは、個人的には感動的なものでした。このクラスでカバーしている内容は大変高度であり、2ヶ月弱ですべてを理解することは困難を極めますが、Tepperが同クラスを必修と定めているため、全員が越えなければならないいわば鬼門となっています。


 

Organizational Behavior


・Interpersonal Communication
組織のリーダーとして必要なコミュニケーションスキルについて、講義と実践を通じて習得します。座学では科学的アプローチに基づく合意形成、説得の手法を学びます。その後は実践形式で、経営戦略策定等の局面においてteamを説得したり、部下との業績考課の面談を通じていかに部下の抱える問題を共有・解決し、個人のモチベーションと組織の目標をalignするか等、リーダーとして遭遇しうる様々な状況をシミュレートしてコミュニケーションを実施します。(当然ながら)英語で自らが議論をリードしなければならず、そのパフォーマンスで成績が決まるため、international studentsには非常に大変な科目ですが、グローバル社会におけるソフトスキルの向上という点において非常に有益な機会だと思います。授業中に、シミュレーション終了後、講師、TA、クラスメートから、フィードバックを受けることが出来ます。

・Managing People and Teams
組織論の授業です。強い組織に特徴的な要素、個人的資質、motivation、leadership、teamwork等について、理論を学ぶとともに、授業中に行われるゲームやチーム活動を通して組織(チーム)がどう機能し、なぜ機能しないかについて学びます。積極参加型の授業形式で、議論を活発に行うのが特徴的です。Mini2の授業の中では最もクラスへの貢献度が求められる授業です。授業では、概念・理論に関連するmovieを見て議論する他、スパゲティとマシュマロを使って時間内にできるだけ高いタワーを作るゲーム、Six Sigmaを社内に浸透させるゲーム(ゲームソフトを使うシミュレーションゲーム)、特殊なルールのトランプゲームなどを行います。連するシミュレーション活動を行ったりした後、その概念について積極的に意見交換を行う形式の講義です。講義外でも、Case studyとして個人にレポートを課したり、Group workとしてSenior Managerにアポイントをとってインタビューし、講義で学んだ知見との関連についてReportを求めます。理論とそのシミュレーションを結びつけて学ばせる点でユニークな科目です。

 

Others


・Management Presentations
効果的なプレゼンテーションスキルを学ぶ科目です。座学にてInterpersonal Communicationでの要点の復習・発展後、実務的なシーンを想定したプレゼンテーションを行います。新商品・新ビジネスモデルの提案、プレスカンファレンスでのプレゼン(不祥事対応)、Inspirational speech等、毎授業テーマが設定されます。プレゼンテーション終了後、資料(構成・内容)、ノンバーバル(姿勢、目線、ジェスチャー等)、バーバル(聴衆の巻き込み方、トーン、表現等)について教授、及び、生徒全員からフィードバックをもらいます。また、各プレゼンテーションはビデオ撮影されており自己レビューも可能です。繰り返し「失敗」を通じて学べるこの実験的&実践的な環境は頭での理解だけでなく、訓練が必要なソフトスキルの醸成には最適です。